就職活動ってどこから手をつけるのか、どう進めていけばいいのか分からない。ネットに溢れた情報よりも、同じムサビの先輩のリアルな話が役に立つはず。就活を経て進路を切り拓いた先輩に、これまでの道のりや大変だったこと、やっておけばよかったことなどを聞きました。

<センパイデータ>
名前:田中乃々華
学科:映像学科/2019年入学
内定先:アクセンチュア株式会社/ソリューション・エンジニア職


——田中さんはいつごろから就職活動を始めましたか? 進学や作家活動ではなく、就職することは最初から決めていたのでしょうか?

田中乃々華さん(以下、田中):就活を始めたのは3年生の10月ごろだったと思います。自分が作家タイプではないということはだいぶ前からわかっていたので、就職しようと決めていました。

——就活を始めるにあたり、まずなにから手をつけましたか?

田中:就活を始めた時点では、どういう分野で働きたいのかがはっきりしていませんでした。それでもなんとなくIT分野のデザイン系の仕事をイメージしつつ、WEBデザインやIT系のセミナーにいくつか参加し、まずは学び始めようということでスクールを探しました。

——最終的には技術職で採用されましたが、スクールに参加したことで方向性が変わったのでしょうか?

田中:そうですね。対面で現職のエンジニアの方に直接教えていただけるスクールに通ううちに、デザインよりもシステムのほうに興味が向くようになり、方向性を切り替えました。

——就活をするうえで大変だったことはどんなことでしょうか?

田中:実は、SPIというものを4年生になる直前の2月くらいまでまったく知らなかったんです。採用試験の3週間前くらいになってその存在を知り、まずSPIがなんなのかを検索して……。本当に焦って対策しました。とにかく練習問題を解いていっただけでしたが、結果的にはなんとか大丈夫だったというか、ラッキーだったんだと思います。

——就活でわからないことについて、どのように情報収集していきましたか?

田中:父が経営者で、経営する人の視点に立った話を聞くことができ、とても頼りにしていました。利害関係のない社会の大人のリアルな声を聞くことができたおかげで、変な緊張をせずに就活に臨めた気がします。一方で、就活にまつわる一般的な情報についてはキャリアセンターにもすごくお世話になりましたし、もちろんインターネットでも調べながら就活を進めました。

——お父様からのアドバイスでは、どのようなことが参考になりましたか?

田中:父には、採用する側が就活生のどんなところを見ているかなどを聞いていました。そこで言われたのは、スキルや能力よりも、どういった考えを持ってこれまで生きてきたか、ということでした。結局、企業はどういう人と一緒に仕事をしたいかで選んでいるし、特に新卒については育てるつもりで採用することが多いと聞きました。就活は“対企業”ではありますが、あくまでも人と人とのやり取りです。質問されたときに自分のことをわかりやすく説明できるよう、まずは自分のなかで「自分はこういう人間だ」と納得する回答を持つことが大事だと思いました。

——内定先への入社を決めた理由を教えてください。

田中:就活を始めたときはデザイン系を志望していたので、ポートフォリオプラットフォームである「ViViViT」に作品を登録していたんです。そこでいくつかの企業から声をかけていただき、そのなかの1社が内定をいただいたアクセンチュアでした。実はもう1社志望していた企業があり、そちらからも内定をいただいて、本当に迷いました。その企業ももちろん魅力的でしたが、内定をいただいたのはWEBの部署。WEBは移り変わりがとても早く、私がトレンドなどに疎いということと、やはりもう少しシステムに近い仕事をしたいと思い、最終的にアクセンチュアに決めました。
このときも、父にはビジネスマンの目線での意見を聞いたり、父の知り合いでアクセンチュアに勤めている方にお話を聞いたりして、自分でもあらためてどういうことができそうかなどを考え、イメージを具体化していきました。

——ポートフォリオはどのようにまとめていきましたか?

田中:あらかじめViViViTに作品を上げておき、ポートフォリオが必要になったタイミングで冊子の状態にまとめていきました。提出を求められたのはデザイン職で受けた企業で、WEBでの提出が多かったです。内定をいただいたところはシステム系の職種での応募だったので、一度もポートフォリオを提出しませんでした。

——インターンには参加しましたか?

田中:はい、ViViViTで声をかけていただいたところに2週間ほど参加しました。まだデザイン系かシステム系か迷っていた時期です。参加したのはUI・UX系のデザインのインターンで、まず課題が出され、グループでオンラインミーティングをしながら取り組むという内容でした。基本的にはオンラインでしたが、企業の方たちに途中経過を見ていただいたり相談に乗っていただいたりして課題を進め、最後の2日間は実際に会社を訪れました。

——参加してよかったと感じたのはどのようなことでしょうか。

田中:企業のリアルな空気に触れられたことが一番大きかったです。あとで振り返ったとき、1年生や2年生の時点でも、もっと早く参加するべきだったと思いました。私が参加したインターンでは、実際の業務内容に近い課題に取り組んだので、企業で求められることや、社内の雰囲気を実体験として感じることができました。そうすると、その企業の取引先の企業に対しても想像が広がったり、企業のつくっているものに対して日常生活のなかでも意識が変わったりして、楽しくなるという変化がありました。
就活においてなにが一番嫌かというと、「怖いこと」だと思うんです。なにもわからないのに、スケジュールは否応なしに迫ってきて、やらなきゃいけない気はするけれど、失敗すると怒られそう……というぼんやりした恐怖がある。でもその恐怖は、人に話を聞いたりインターンに参加したりして、本当にちょっとだけでも知るとかなり軽減していきます。そういう体験がひとつあるだけで全然違うと思うので、インターンは強くおすすめしたいです。あるいはインターンでなくても、アルバイトを探すときに、いわゆる“バイト”として扱われる仕事よりも、企業の人と関われるような仕事を選んでみたりするのもいいと思います。

——田中さんの今後の目標や、やってみたいことを教えてください。

田中:就職して実際に自分になにができるのか、不安と恐怖はありますが、まずはやれるだけやってみたいです。またアクセンチュアはグローバル企業で、オフィスではあちらこちらから英語が聞こえてきましたし、さまざまな国の方がいらっしゃる印象でした。英語は必須ではないということですが、できると仕事の幅が広がるとみなさんおっしゃっていたので、私も英語ができるようになりたいと思っています。

——就活全体を通して、後輩に伝えたいことはありますか?

田中:私がそうだったのですが、就活ってまずなにを考えたらいいかわからないし、やはりなんとなく怖いと感じている人もたくさんいると思います。インターネットではたくさんの情報が見つかりますが、結局、私自身の就活では、直接人から聞く考えやアドバイスが一番信頼できるものでした。
そしていろいろな方に相談させていただいて感じたのは、就活生は意外と応援してもらえるということです。自分の希望や方向性がまだ具体的になっていなくても、応援してくれる人がきっと身近にもいると思います。私は人に会って話を聞けば聞くほど就活に対する恐怖がなくなっていったという体験をしたので、今度は私がこれから就活をする後輩にぜひ協力したいと思っています。就活生の立場だと、つい「時間を取ってもらって申し訳ない」と思いがちですが、遠慮せずに周りの先輩や大人たちにぜひ声をかけてみてほしいです。